日本の食料基地、十勝に居を移して一週間。 北海道にふさわしくない三十度を超す真夏日に参っている。 とはいえ、あと十日もすれば暑い日は終わり、 逆に氷点下二十度の世界が待っているのだから背筋が凍ろうというものだ。
今週は夏のマイル王を決める名物レース、関屋記念。 フルゲート18頭が示すように、混戦の様を呈している。 どの馬が勝ってもおかしくないと言えば聞こえが良いが、 去年のダイワテキサスのような抜けた馬がいないドングリの背比べが実情。 エアガッツ、リワードニンファにしても、 重賞で人気を集めるだけの実績や勢いがあるのか確信が持てない。
今年の関屋記念は『怪物』の復活に期待したい。 本命はスピードワールド。 ４歳の春までは走るたびに度肝を抜くレースで連勝を重ねてきた。 古馬相手にも安田記念、毎日王冠で３着とＧ�Tはすぐ手の届くものを思われていた。 しかし、一番人気のマイルＣＳを惨敗してから、長いトンネルが始まった。 前走の朱鷺Ｓまで信じられない８連敗、気づけば既に６歳を迎えていた。 不振の原因は蹄の不安だった。 蹄を気にして力通り走ることができず、自慢の末脚を爆発させることができない。 ４歳時のレースを知るファンにとってももどかしさが募る。
しかし、ようやく怪物らしさの片鱗が戻ったのが前走の朱鷺Ｓだった。 着順は５着ながら上がり33秒９の自己最高タイムを記録、 蹄も良化し完調に近づいたようだ。 直線は長くとも今の新潟は前が止まらないのは承知だが、 今年のメンバーなら力で捻じ伏せられるとみる。 酷暑の新潟で白い怪物が復活の狼煙を上げる。
相手には夏オンナ、リワードニンファ。 去年の新潟でもマイル戦を１分33秒２で快勝しているように条件はベスト。 前走の七夕賞は距離が長かったもので度外視することが必要だ。
三番手にエアガッツ。 この馬も暑くなるにつれ調子を上げてきた。 人気でも木幡が巧く乗れるかが鍵だろう。

想定時の結論
◎スピードワールド 〇リワードニンファ ▲エアガッツ △ブラックホーク △タヤスアゲイン △セザンファイター △スギノキューティー

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