3200�bという過酷な距離で覇を競う春の天皇賞。 スピード競馬趨勢の時代に合っても、 春の天皇賞は2000�bの秋とは違って半端な実力では勝てないレースだ。 今年は12頭と少頭数ながら、例年以上の盛り上がりを見せている。 去年のクラシックホース、セイウンスカイとスペシャルウィークが、 連覇を狙うメジロブライトと死闘を繰り広げる三強対決。 特に昨秋に調子を崩してセイウンスカイの後塵を拝したスペシャルウィークは、 その雪辱に燃えるところでもある。
この三強の牙城は頑強だ。 予想者とすれば三強の中からいずれかを選び、 その長所を理由として印を打てばいいのかもしれない。 馬券は２点だけに絞っても、的中確率は３分の２。 だが、敢えてその選択はしたくない。 的中してもなぜか当てたという充実感は得られないような気がするのだ。 どうしても一頭気にかかる馬がいるからだろう。
無謀は百も承知でマチカネフキキタルに本命を打つ。 火の勢いで菊花賞を制した４歳秋とは打って変わって、 古馬になってからは大敗を繰り返してきた。 裂蹄、挫石に苦しめられながら、復帰した有馬記念では13着。 京都記念、大阪杯では２着を確保したが、とても好調時のフクキタルとは程遠い内容だった。 「内臓の脂肪がとれない」とは陣営の口癖だが、 そのために有馬記念以後も不向きな短距離戦を使うなどその解消に努めてきた。 その成果があってか、この中間の猛トレーニングではこれまでにない気合乗りを見せている。 ４連勝で菊を制した力が戻れば、三強に引けは取らない。 早めにスパートしたセイウンスカイとスペシャルウィークをメジロブライトが捕まえに行く、 その外から34秒前半の上がりで襲い掛かることができるのはフクキタルしかいない。 クラシックの栄光から雌伏一年半、 今まで苦しんできた同馬に春の盾で福がやってくる。 三強の一角を崩してほしい、だから馬券は複勝を買う。
相手はもちろん三強。 順番をつけるのは無意味にも思えるが、 セイウンスカイはブライトに遅れをとった有馬記念のようなことはあるまい。


確定後の結論
◎マチカネフクキタル 〇セイウンスカイ ▲スペシャルウィーク △メジロブライト △ステイゴールド △シルクジャスティス

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