熟女の技に期待！ ナギサ大逃走

女傑エアグルーヴがターフを去った後、現役牝馬の頂点にたつメジロドーベル。 去年のエリザベス女王杯では、折り合いに難を見せながらも電光石火の差し脚で勝利を収め、 現役最多のＧ�T４勝目をあげた。 そのドーベルの今年緒戦がハンデ戦というと意外にきこえるが、 別定の中山記念でも59�`を背負わねばならないときけば、出走にも合点がいく。 今回は格下の牝馬が相手で58.5�`というハンデ。 58�`で府中牝馬Ｓを制した実績を考えれば、無理な斤量ではない。 だが、陣営が最後まで出走を迷ったように微妙な重さでもある。
過去10年で１番人気は[１２５２]、トップハンデは[１３３６]。 勝ったのはスカーレットブーケの一頭だけ。 連軸としてはともかく、単勝はとても買えたものではない。 重ハンデ馬は差して届かず、先行して粘りきれずに軽量馬にやられている。 今年のドーベルと二番手のハンデ54�`という５�`近い斤量差なら、 一流馬といえども脚元をすくわれる可能性がある。 もうひとつの不安はドーベルが後ろからの競馬になったときだ。 中山の千八は圧倒的な先行有利。 過去にも人気薄の逃げ馬が残っており、馬場が悪ければその傾向はさらに顕著になる。 特に印象深いのが、 91年の増沢末夫操るユキノサンライズの芸術的な逃走劇だ。 ダイイチルビーが３着に封じ込まれた中山牝馬Ｓを目の前で見せ付けられた私にとって、 中山千八先行有利は覆されない命題だ。
軽快な逃げに期待して本命にナギサを指名する。 中山金杯でも◎を打ったように、牡馬相手でも軽ハンデなら通用すると踏んでいた逸材。 本格化まで時間はかかったが、距離の長いエ女王杯４着がフロックでなかったことは、 その後の成績が証明している。 前走の京都牝馬特別では２着だったが、 この馬の先行力が生きるのは小回りの千六以上、二千未満。 前走と据え置きの53�`とは軽く見られたものだ。 正直、鞍上にはそれほど信頼を寄せられないが、 今度も人気がそこそこなのが救い。
相手には同じく先行力のあるオーバーザウォールを推す。 ４歳時はクラシックを意識した過酷なローテで伸び切れなかったが、 休養明けから力をつけ前々走では福島記念を制した。 先週の中京記念を除外されて牝馬限定戦に出走できるのは、反っていい結果を生むかもしれない。
三番手に復活なったスギノキューティー。 去年の春はエルコンドルパサーらと勝負していた馬で、 河内騎手に手綱が戻るのも好材料だ。 馬に走る気さえ出てくれば、実力はトップクラス。 メジロドーベルは勝たれれば楽勝と知った上で、データから敢えて△に留めたい。

想定時の結論
◎ナギサ ○オーバーザウォール ▲スギノキューティー △メジロドーベル △マルカコマチ △サクラアカツキ