キーワードは復活！ 99年は福来る

98年も暮れようとしている。 金融破綻、相次ぐ企業倒産、最悪の完全失業率。 ＪＲＡの売上げも、初めて前年比ダウンを記録した。 日本列島総不況、未だに光は見えてこない。 来る99年は、いよいよ世紀末。 ノストラダムスに言わせれば７の月に悪の大魔王が降ってくる年…。 来年はいったいどんな年になるのだろか。
一年の競馬を締めくくるグランプリ有馬記念。 ファン投票で選ばれた馬たちが、観衆の思いを乗せてターフを駆ける。 ファンは98年という年を噛みしめながら、 99年という年に思いを馳せながら馬券に夢を託す。 古豪に、若駒に、牝馬に、あるいは夭折した快速馬に…。 有馬記念は理屈抜きで、どんな馬券を買ってもいいと思う。 データ党の私も、心情や願いだけで馬券を買いたくなるレースなのだ。
暗い時代に暗い顔をすると、時代はいっそう暗くなる。 逆に、辛くても笑顔をつくると、状況は好転する。 発想がプラス思考になり、周りにも伝染するからだという。 メンタル的な効果はもちろんだが、医学的にも、作り笑いでさえ 体内の免疫機能を活性化させ、癌細胞すら押え込む効果があると実証されている。 問題は状況でなく、我々自身の中にあるのかもしれない。
さて、有馬記念。 暗い世相を吹き飛ばすのに、これほど相応しい名前の馬がいただろうか、 マチカネフクキタル◎。 今年の二度の凡走は、割れてしまった爪のため。 宝塚記念を回避し、有馬記念一本に向けて調整されていた今では、体調も爪も良くなった。 もとは、４連勝で菊花賞を制した実力馬。 有馬記念は、秋に消耗しなかった馬が勝つレース。 だから復活という言葉が似合うレースなのだ。 マイルからびっしり追った追いきりでは、９分の状態まで仕上がった様子が伺える。 99年はこの馬が福を呼び込む。
相手には同じ菊花賞馬、セイウンスカイ。 展開的にも有利な中山コースで、前走は距離不安を一掃するレコード勝ち。 だが、今まで一度も１番人気になったことのない逃げ馬が、暮れの大一番で１番人気。 実力と勢いはナンバーワンでも、死角がないことはない。
３番手に春の天皇勝馬メジロブライト。 中山コースは相性がよく、徐々に復活の兆しもみえてきた。
とにもかくにも、99年夢を抱かせるレースになってほしい。

確定後の結論
◎マチカネフクキタル ○セイウンスカイ ▲メジロブライト △エアグルーヴ △エモシオン △キングヘイロー △グラスワンダー